第20回『乳房』

 昭和59年の『乳房』(文春文庫)は、正真正銘の『鬼平犯科帳』の番外編である。  浅草の足袋問屋の女中・お松は、自分を「不作の生大根」と罵って捨てた煙管師・勘蔵が家で泥酔し、寝ているところを締め殺した。その後雷雨の中を彷 … 続きを読む 第20回『乳房』